窓ぎわのトットちゃん
黒柳徹子さんのベストセラー、窓ぎわのトットちゃん。自伝的小説ですが、思いのほか心に響く作品でした。平易で読みやすい文章の中に、大切なことがちりばめられていて、きらきらした本です。戦時中のお話であり、手放しでほのぼのとはできないかなしい面もありますが。
小さな頃を久しぶりに思い出し、子どもの気持ちに寄り添うことの大切さを改めて考えさせられました。"風変わり"な小学校での日々の出来事一つ一つが、トットちゃんの柔らかい心を包みこんでいます。学校での出会いは大切ですね。
私が小学校の頃の先生は、正直あまり記憶にありません。今までで一番好きな先生は、学校の先生ではなく、高校の頃通った塾の国語の先生でした。先生のお話はいつも面白く、言葉はいつもあたたかく、世界が広がる気がして、自由になれる気がしました。
娘やこれから生まれる息子にも、今後たくさんの出会いが訪れます。子どもの出会いについて、親ができることなどほんのわずかなのですが、トットちゃんの校長先生のような人に出会ってほしいです。
子どもたちがもう少し大きくなったら、この本を一緒に読みたいと思います。
それにしても、私は今まで、黒柳徹子さんについて、徹子の部屋の、慈善事業をされている、きのこのような髪型の女性という認識しかなかったのですが、こんなにも素敵な本を執筆されていたとは。。遅ればせながら、子育て中のこの時期に出会えてよかったです。
ちなみに、この本の挿し絵は、いわさきちひろさんの描かれたものなのですが、文章と絵がとてもよく合っていて感心しました(トットちゃんはちひろさんの死後に書かれた本です)。
そして、偶然ですが、先日下石神井のちひろ美術館に行ったこともあり、何だかとても親近感がわいたのでした。